搬入プロジェクト 山口・中園町計画のためのビールケースデザイン

2020 | Client:山口情報芸術センター | プロダクトデザイン

Producer:渡邉朋也(YCAM)

Director:金子春香(YCAM)

Logotype Design:畑ユリエ(hata design)

Product Design:秋山慶太(ふしぎデザイン)

パフォーマンス集団・悪魔のしるしが発案した演劇プロジェクト「搬入プロジェクト」は、会場となる建物内にかろうじて入る大きさ・形状に設計された巨大な物体を、人力で館内に搬入する様子を一種の「演劇」として提示するという彼らの代表的な作品のひとつです。また、「搬入プロジェクト 山口・中園町計画」は、この作品をYCAM(山口情報芸術センター)が物体の設計から搬入まで主体的に実施するものです。

このビールケースのデザインは、搬入プロジェクトの可能性を探ることを目標に、搬入プロジェクトで用いられる「物体」の組み立てがしやすくなるよう設計したものです。

ビールケースにベニヤ板を固定するなど、複雑なプロセスで作られてきた従来の物体の組み立てを省力化するために、上下方向に加えて左右方向にもスタッキング可能なケースの形状を考案しました。アートプロジェクトのためにデザインし、実際に生産されることのないスペキュラティブデザイン的なアプローチでありながら、高い強度と一体成型が可能な既存製品の性能を踏襲してデザイン、設計に当たりました。